日本のホースマンの悲願、凱旋門賞
『凱旋門賞』 と言えば、もはや日本人の間でもお馴染み、
ヨーロッパの秋競馬を総括する一大レースです。
長い歴史の中でも、ヨーロッパ馬以外の優勝はなく、
日本のホースマンにとっても悲願のレースとなっています。
スケジュールや斤量、待遇面で、
同じヨーロッパ競馬の一大レース、
『キングジョージ6世 & クイーンエリザベスステークス』 よりも、
日本馬にとって好条件のため、参戦馬も多く、
それゆえ話題になることも多いようです。
そんな凱旋門賞も、今でこそ続々と日本馬が参戦していますが、
その歴史を紐解くと、厳しい挫折の繰り返しでした。
1969年に、『スピードシンボリ』 が初めて凱旋門賞に挑戦し、着外。
その後、『メジロムサシ』 『シリウスシンボリ』 が参戦しますが、
18着、14着と惨敗。
そしてその敗戦から13年間、
実は日本馬による凱旋門賞出走はありませんでした。
この期間、ヨーロッパはおろか、
そもそも海外に遠征する日本馬がほとんどおらず、
日本競馬に、”冬の時代” が訪れたと言えます。
そして、その堅く閉ざされた凱旋門賞の扉を開いたのが、
『エルコンドルパサー』
13年ぶりの日本馬による挑戦。
直線残りあと僅かというところまで先頭だったのですが、
猛追してきたフランス馬、『モンジュー』 にハナ差交わされ、2着。
「今年の凱旋門賞は、2頭の優勝馬がいる」 と形容されるほど、
後続とは距離が離れており、上位2頭の能力は圧倒的だっただけに、
悔しい敗戦となりました。
ですが、これでヨーロッパと日本の競馬に、
それほど差がないことを示したのも事実。
その後、続々と日本馬が挑戦していくきっかけとなりました。
それでも、日本場の苦難は続きます。
日本の期待を一身に背負った、『ディープインパクト』 は、
3位入選も薬物違反により失格処分。
『メイショウサムソン』 は脂の乗った4歳時に、
まさかの馬インフルエンザにより出走断念。
『オルフェーヴル』 も、先頭でゴールするか...という寸前のところで、
フランスの3歳馬、『ソレミア』 にしてやられました。
そんな歴史を乗り越え、2014年。
今年も多くの日本馬に期待が掛かっています。
昨年同レース4着の、『キズナ』
ドバイシーマクラシック優勝の、『ジェンティルドンナ』
そして、怪物3歳牝馬、『ハープスター』
今年は日本馬がどんなドラマを見せてくれるでしょうか!?
楽しみで仕方ありません!!